めったに使わないデジタルアカウントを削除すると、単にスッキリするだけではなく、セキュリティ面も強化される。余分なアカウントをもっていても、ハッカーのための標的を増やしてしまうし、データベースから情報が流出する可能性もある。使用していないアカウントから、より重要な別のアカウントにアクセスできてしまうかもしれない。リスクを最小限にしたければ、アカウントは必要な分だけ保持しておこう。
Google アカウントを削除するのは難しくないうえ、グーグルはデータのアカウント削除の前にデータのダウンロードもさせてくれる。ただし、アカウントを削除すると、Googleのユーザー名にひもづくすべてのデータが消去されることを忘れずに。GmailのメールからGoogle マップ上に保存した場所、Google ドライブ上のファイルに至るまで、すべてだ。
またグーグルは、前述のようなセキュリティ上の理由から、2年間使われていないアカウントを自動的に削除している。アカウントがすでに削除されていた場合、これが原因かもしれないが、グーグルから事前に多くの警告通知が届いているはずだ。自分のアカウントが削除されているかもしれないと思ったら、グーグルの「無効なGoogle アカウントに関するポリシー」に目を通してほしい。
データをダウンロードする
Google アカウントページの左側にある「データとプライバシー」をクリックすると、グーグルがもっているあなたのデータ(予想より多いはずだ)の概要が表示される。データをグーグルのサーバーから自分のローカルコンピューターに取り込むには、ページのいちばん下のほうにある「データをダウンロード」を選ぶ。
次の画面で、エクスポートするデータの種類を選択できる。Chromeに保存された閲覧履歴、Google カレンダーの予定、Google フォトの写真や動画、YouTubeにアップロードした動画、Google Chatのログなど、Googleのすべてのアプリやサービスのデータが対象だ。Google アカウントを削除すると消去される全データの範囲が表示される。
ダウンロードしたいデータカテゴリの横のボックスにチェックを入れるのだが、上部にある「すべて選択」か「選択をすべて解除」を使うと楽かもしれない。カテゴリーによっては、異なるエクスポート形式や、特定のサブセクション(Google Fitのアクティビティなど)をさらに選択できる。
選択が完了したら、「次のステップ」をクリックする。次に、ダウンロードの方法を選択する。「ダウンロード リンクをメールで送信」するか、アーカイブを別のクラウドストレージアカウント(ほかのアカウントのGoogleドライブやDropbox、OneDriveなど)に直接移すことができる。アカウントを削除するのであれば不要だろうが、定期的にダウンロードするような設定も可能だ。
データの量によっては、ダウンロードできるようになるまで1~2日待つ必要がある。ダウンロードが完了したら、Google アカウントの削除を続行する前に、ダウンロードしたデータをきちんと閲覧できるか、安全な場所にバックアップが取れているか確認してほしい。
Google アカウントを削除する
データが確保できたら、不要になったGoogle アカウントを安全に削除しよう。Google アカウントの一部分のみ削除するという選択肢もある。例えば、YouTubeを削除しつつ、Gmailを使い続けることもできる。
部分的な削除は、Google アカウントページからも可能だ。「データとプライバシー」から「サービスを削除」に進み、削除したいサービスの隣にあるゴミ箱アイコンをクリックする(グーグルはここでも親切に、データのダウンロードを提示してくれる)。いくつかの確認画面が表示されたら、完了だ。
Google アカウントに関連するものをすべて消去したいことが確実な場合、「データとプライバシー」から「Googleアカウントの削除」をクリックする。すると、アカウントを削除したら何が起きるかの詳細な説明がなされ、実際に消去されるデータの例(写真のサムネイルなど)も表示してくれる。
ほかのアカウントの認証に使っていないか再確認
削除するGoogle アカウントに紐づいているGmailアドレスが、ほかのアカウントのログインや認証用のメールアドレスとして使用されていないか、再確認しておくのが重要だ。Gmailの受信トレイにアクセスできないため、ほかのアカウントにログインできないという事態も懸念される。
最終的に「アカウントの削除」を確定すれば、作業は完了。何らかの理由で削除を取り消す必要が生じた場合、アカウント削除後に表示される確認画面で「アカウントを復元する」をクリックするだけでいい。もし再設定用の別アドレスを登録していれば、そのアドレスにも同じリンクが送信される。
(Originally published on wired.com, translated by Rikako Takahashi, edited by Mamiko Nakano)
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