FASHION

未来のクチュールという伝統をいかにして更新するか: Shirt Dress by Courrèges

ファッションはシーズンを積み重ね、着実に前進する。まるで進化圧のように。もちろん歩幅はまちまちで、あるいはわずかな差異かもしれないが、どこかに新しいアイデアとクリエイションが結晶しディテールとして表れている。それは例えばかつて女性を解放した、パリのクレージュにおいても。
Shirt Dress by Courrèges:未来のクチュールという伝統をいかにして更新するか
PHOTOGRAPH: MASATO KAWAMURA

フューチャリズム。1961年にアンドレ・クレージュ(元は空軍パイロットだった)によって設立されたクレージュは、斬新なカッティングやビニール、PVCなどの新しい素材をファッションに導入。進取の気風に徹したブランドだった。

その後は何度かの曲折があったが、2015年に再スタート。20年からはニコラス・デ・フェリーチェがアーティスティック・ディレクターとして腕を振るっている。この春もシャープなカッティングや開放感は健在で、かつての創設者がそうだったように、女性たちの背中をより自由なほうへプッシュするコレクションを展開した。ポロシャツを引き伸ばしたようなワンピースは、踏み出すたびに布が大胆に動く。

コットンピケのシャツドレス ¥192,000、レザーのハンドバッグ「HOLY」 ¥133,000、レザーのストラップサンダル 参考商品〈すべてCourrèges/エドストローム オフィス TEL.03-6427-5901〉

PHOTOGRAPH: MASATO KAWAMURA

Photographs by Masato Kawamura. Hair by Nori Takabayashi. Make-Up by Suzuki. Edit by Satoshi Taguchi, Akane Ono

※雑誌『WIRED』日本版 VOL.52 特集「FASHION FUTURE AH!」より転載。


雑誌『WIRED』日本版 VOL.52
「FASHION FUTURE AH!」

ファッションとはつまり、服のことである。布が何からつくられるのかを知ることであり、拾ったペットボトルを糸にできる現実と、古着を繊維にする困難さについて考えることでもある。次の世代がいかに育まれるべきか、彼ら/彼女らに投げかけるべき言葉を真剣に語り合うことであり、クラフツマンシップを受け継ぐこと、モードと楽観性について洞察すること、そしてとびきりのクリエイティビティのもち主の言葉に耳を傾けることである。あるいは当然、テクノロジーが拡張する可能性を想像することでもあり、自らミシンを踏むことでもある──。およそ10年ぶりとなる『WIRED』のファッション特集。詳細はこちら


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